岐阜で会社破産をお考えの方へ

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2023年09月26日

1 岐阜にお住まいの方のご相談

⑴ 駅近くの便利な場所に事務所があります

 弁護士法人心 岐阜法律事務所は、JR岐阜駅から徒歩3分、名鉄岐阜駅から徒歩2分の場所に位置しています。

 JRと名鉄どちらの駅からも歩いてお越しいただけるため、岐阜市内から鉄道やバスでのアクセスが良好です。

 岐阜の方にとって足を運んでいただきやすい立地かと思いますので、会社破産のご相談をお考えの方はどうぞお気軽にご利用ください。

⑵ ご相談の受付について

 フリーダイヤルから相談予約を受け付けており、平日21時、土日祝日18時までお電話がつながるようになっています。

 調整によって平日夜間や土日祝日のご相談にも対応しておりますので、まずは一度お気軽にお問い合わせください。

2 会社破産を検討している段階からご相談ください

 会社の資金繰りがうまくいかなくなるなど、会社を存続させることが難しい状況になった場合、会社破産を検討される方もいらっしゃるかと思います。
 本当に会社破産をすべきなのかを考えている内に状況が悪化してしまうおそれもありますので、お早めに弁護士に相談されることをおすすめします。
 会社破産をするべきなのか、それ以外の方法が適しているのかを含め、まずは一度、当法人の弁護士にご相談ください。

3 弁護士法人心がしっかりと対応

 会社破産をすると家族にどのような影響を与えるのだろうか、従業員や取引先への対応はどのようにすればいいのだろうか、個人資産はどうなるのだろうか等、不安に思うことが多々生じるかと思います。

 周囲への影響を考慮した適切な会社破産のタイミングや、その後の会社経営者の方の生活の見通しまで、当法人の弁護士がしっかりと相談にのらせていただきます。
 破産案件を取り扱っている弁護士が対応させていただきますので、安心してお任せください。

不安や疑問がありましたら、お気軽にお尋ねください。

会社破産のことを専門家へと相談するタイミング

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2024年03月29日

1 会社破産の相談は早い方がよい

 会社破産を専門家に相談するタイミングは、早いに越したことはありません。

 日々会社破産の相談に乗っている弁護士からすると、来るのが遅すぎると感じるケースも少なくなく、もう少し早くご相談いただいていれば対策できたと思われる場面も幾度となくありました。

 完全に売上もなくなり、給料も払えなくなってからでは、従業員や取引先にも大きな迷惑がかかりますし、会社破産に必要な費用すら用意できなくなりかねません。

 費用が用意できないために、会社破産もできず、残念ながら夜逃げしてしまっている方も見受けられます。

 今後の人生や、ご家族のこと等も考えると、借金から逃げ続けるより、きちんと破産の手続きを踏んで前に進むほうが望ましいでしょう。

 手遅れになってしまう前に、ここでは、会社破産を専門家に相談するタイミングとして、よくある例をご紹介します。

 

2 赤字が続いているとき

 赤字が続いていれば、いつかは資金繰りができなくなります。

 何か月も赤字続きで明確な回復の目途が立たない、借入で運転資金をまかなって自転車操業状態となれば、このまま時間が経過しても改善する可能性はあまり高くありません。

 本当に資金繰りができなくなり取り返しがつかなくなる前に、今後の会社の方向性を考える必要があります。

 

3 税金や社会保険料の滞納が増えてきたとき

 税金や社会保険料を滞納していると、売掛金の差押えを受けて、お得意先に資金繰りができていないことが知れることになります。

 税金や社会保険料は滞納が続けば高額な延滞税もついてきますので、一時的ならまだしも、税金や社会保険料の滞納が解消できないほど続いている場合、支払い目途が立たないのであれば、今後の会社の方向性を考えるため、ご相談いただくことをお勧めいたします。

 

4 金融機関から新たな融資を断られたとき

 これまで受けられていた融資が断られるのは、資金繰りに窮する一番の要因になります。

 また、金融機関から見て、返済してもらえるか疑わしい状態になっているということですから、別の金融機関から融資を受けようにも審査が通らないことが多くなります。

今後事業を続けていくためには、早急に赤字を解消する方策を練る必要があります。

 赤字解消の目途がたたないという場合や、資金繰りがすぐに尽きてしまうとなれば、会社破産を現実的に検討せざるをえなくなります。

 なんとか資金繰りを行うため、その場しのぎで金利の高い貸金業者やヤミ金融からお金を借りてしまえば、状況を余計に悪化させるだけですので、そうなる前に専門家に相談に行きましょう。

 

5 もうすぐ返済や経費の支払いが遅れるとき

 今まで何とかやりくりしてきた返済や経費の支払いが遅れるときは、資金繰りがうまくいっていないことが顕在化したタイミングであり、ご相談いただくひとつの目安になります。

 支払いが遅れるのであれば、取引先や金融機関に対し、何らかの連絡をしなければならず、未払いが続けば督促を受け続けることになり、対応を検討する必要がでてきます。

 

6 新たな仕入れができないとき

 事業を続けるのに仕入が必要な業種では、未払いによって取引先が掛け払いを認めてくれなくなったり、クレジットカードが利用停止になって仕入れができなくなると、そもそも事業が成り立たず、売上も立たなくなり、事業として立ち行かなくなる可能性が高くなります。

 そのため、新たな仕入れができなくなったタイミングも、会社破産のご相談をご検討いただくひとつのタイミングです。

 

7 おわりに

 家族や従業員の生活を考えると、会社を破産させる決断をするのは決して簡単なことではなく、いろいろなご不安もあることと思います。

 会社破産を完全に決断してからでないと専門家に相談できないということはありませんし、ご相談いただいたからこそ見えてくるものもあるでしょうから、会社破産をしたほうがいいのか迷われている段階であっても、お気軽にご相談いただけます。

 早期に相談に来ていただければ、取れる選択肢も広がり、借金の金額を減らして事業を続けていくことができるケースもありますので、少しでも会社の借金でお悩みの場合は、まずは一度ご相談ください。

 

会社破産ができないケース

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2024年01月29日

1 破産の申立権がない人の申立て

 会社破産は、会社の取締役全員が破産に同意している必要があり、取締役会を開いて取締役全員が署名・押印した議事録を作成するか、取締役全員から同意書をもらったうえで、裁判所に申請するのが原則です。

 相談に来られる方が会社の代表取締役ではなくても、取締役である場合は、会社破産の申立て自体はできます。

 ただ、取締役でない従業員や取締役の親族等の場合は、会社破産の申立てをする権利がないのが通常です。

 このように、破産の申立権がない人の申立てでは、会社破産はできません。

 

2 支払不能と認められない

 会社破産をするには、会社が支払不能と認められる必要があります。

 支払不能とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう(破産法第2条11項)と規定されています。

 つまり、今は一時的に債務が支払えないとしても、財産を処分したり、工夫すれば収入から支払いが続けられる見込みがあると裁判所が判断すれば、支払不能ではないことになり、会社破産ができないことになります。

 ただ、会社破産では、債務超過であれば支払不能と推定するので(破産法第16条第1項)、弁護士に相談するケースで支払不能と認められないケースはほとんどありません。

 

3 破産に必要な費用が用意できない

 会社破産では、裁判所が求める予納金を納めなければ破産手続きが始まりません。

 また、弁護士に頼まず会社破産をするのは、手続きが複雑でほぼ不可能ですので、弁護士にも費用を支払わなければなりません。

 これら破産に必要な費用は、破産した後に分割で支払うということができませんので、裁判所に申立てをする時点で用意ができていなければ、会社破産はできません。

 そのため、大変難しい判断を伴うこともありますが、完全にお金が無くなってしまう前に会社破産の決断をする必要があります。

    予納金は、基本的には60万円以上、事業規模が大きい会社などの場合は数百万かかることもあります(既に廃業していて財産が全くないというような会社の場合は20万円程度で済むケースもあります。)。

 予納金の金額は、裁判所に破産申立てをした後に裁判所の判断により決まるものですが、おおよその目安は立てることが出来ますので、弁護士にご相談ください。

 

4 不当な目的で破産申立てがされたとき

 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないときは、会社破産ができないとされています(破産法第30条第1項第2号)。

 何が不当な目的に当たるかは、裁判所の判断になりますが、たとえば会社の財産を隠したり個人名義に変えて残そうとしたり、親族等特定の債権者にだけに返済して金融機関には返済しない目的で破産申立てをしたと認定されると、会社破産ができない可能性があります。

 会社破産をする場合は、財産状況や入金見込みについて、正直に申告するようにしましょう。

 破産時に意図的に会社の財産を隠したり、不適切な財産処分を行ったことが発覚すると、破産ができないだけでなく、会社代表者が詐欺罪等の刑事責任を追及される可能性がありますのでご注意ください。

 また、お金の流れについても、債権者に説明できるように、弁護士に確認しながら動かす必要があります。

 

5 裁判所で破産以外の手続きが行われているとき

 裁判所を通した倒産手続きには、破産以外に民事再生や会社更生といったものがあります。

 既に民事再生や会社更生の手続きが開始されている場合、そちらが優先されますので、破産の手続きは出来ません。

 

6 会社破産はお早めにご相談ください

 費用が用意できなかったり、お金の流れが不適切なものになったり、今後の生活を楽にしたいと思ってやったことがあだになったりして、会社破産ができないケースもあります。

 早めに会社破産に詳しい弁護士に相談して、今後のお金の流れをどうするか等話し合うことをおすすめします。

会社破産の際に必要となる費用

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2024年05月17日

1 会社破産をする際に必要な費用は、大きく3種類

 会社破産する際に必要な費用は、大きく3種類に分けられます。

 予納金、実費、弁護士報酬です。

 予納金とは、裁判所に納める手数料です。

 会社破産は、基本的に会社の本店所在地を管轄する地方裁判所に申請するので、その裁判所に納める手数料が必要です。

 実費とは、弁護士が裁判所に行く交通費や郵便代、印紙代、登記の取り寄せ費用等、手続きを進めるにあたって発生する費用です。

 弁護士報酬とは、会社破産を依頼した弁護士に支払う報酬のことです。

着手金、成功報酬、出張費、手数料等、名目は弁護士事務所によって異なります。

 

2 予納金は、最低20万円だが、60万円を超えるケースも多い

 予納金は、裁判所に納める費用で、金額は裁判所が定めます。

 予納金の内容としては、裁判所が官報に破産の情報を載せるための費用や、裁判所が選ぶ第三者的立場の弁護士(破産管財人)への報酬等があります。

 破産管財人は、会社に残っている財産をお金にかえたり、債権者の債権額を確定させて、もし債権者に配れるお金があれば、法律に定められた順番に従って会社のお金を債権者に配ったり等の業務を行います。

  予納金額は、裁判所ごとに基準が異なりますが、負債額や破産管財人が行うべき業務量等によって変わります。

 多くの裁判所が、予納金の最低額を20万円としており、「少額管財事件」と呼んでいます。

 事業所の明渡しが終わっている、不動産や在庫商品が残っていない、不適切なお金の流れがない等、破産管財人の残務が少ない案件は、予納金20万円で済むケースが多いです。

 これらの要件を満たさない残務が多い案件は、「通常管財事件」と呼ばれ、予納金が60万円以上など高額になります。

 予納金を安くしようとすると、代表者自身が事業所を明け渡したり、リース物件を返却したり、従業員の給料を計算して全額払ったりと、労力を割かなければなりませんし、それらを終えてからとなれば破産申立てまでに時間もかかります

 代表者が時間をかけて関係者対応をして少額管財事件を目指すのか、費用をかけても弁護士や裁判所に多くを任せてスピーディーに申請するのかは、会社の仕事の流れや代表者のご意向によります。

 どのように進めるのがベストなのか、専門家以外では判断が難しい場合もございますので、ご不安点や疑問点は弁護士にご相談ください。

 

3 実費は10万円程度が主

 実費は、主に裁判所や会社の現地に行く交通費や、関係者に送る通知や裁判所に提出する資料の郵便代等です。

 債権者の数や行く場所・回数によって異なりますが、ほとんど動いていない会社の破産であれば5万円程度で収まることもあり、関係者(取引先・債権者・従業員)が100名程度までなら、10万円程度で済むことが多いでしょう。

  ただ、遠方の事務所に依頼すると、裁判所に行く出張費は高額になりやすいため、基本的に地元に事務所がある弁護士に依頼する方が費用は安くつきやすいです。

 

4 弁護士報酬は、最低30万円程度だが、100万円を超えるケースもある

 弁護士報酬は、弁護士ごとに異なりますが、おおむね予納金を基準に、関係者の数や処理すべき事項の量、緊急性等を考慮して決める弁護士が多いでしょう。

 たとえば、少額管財事件になるような、事業を廃止してから時間が経っている会社なら20万円の予納金をベースに1.5倍や2倍程度(30~40万円)のことも多いです。

 一方通常管財事件になるケースでは、50~60万円程度の予納金をベースに、1倍から5倍程度(50~300万円)まで幅広くあります。

 たとえば関係者が10人程度の小さな会社と、関係者が1000人いる会社では、業務量は大きく異なり、作業量、複雑性等に何倍もの差が生じるため、弁護士報酬もそれに応じて金額の増減があります。

  明確な基準を設けられていて機械的に決められるものではなく、それぞれの会社の状況によって異なるため、どの程度費用がかかりそうかは一度弁護士にご確認ください。

 

5 まとめ

 会社破産は、依頼する弁護士の進め方によって、大きな混乱が生じたり、代表者や役員が損害賠償請求を受けたり、詐欺罪等で刑事事件になるケースもあります。

 皆様それぞれの状況に適切に対応できる、会社破産に詳しい弁護士選びが大切です。

 決して安くない費用をかけて会社破産をするからには、ご納得のうえで手続きを進められるよう、依頼する弁護士には、進め方で気になる点等があれば質問したり、お互い連携をとって進めていくのがよいでしょう。

会社破産の相談にあたって必要となる資料

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2024年02月06日

1 会社破産の相談にぜひほしい資料3つ

 会社破産に関係する資料は、決算書や請求書等含めたくさんありますが、細かい資料は、最初の相談に来ていただいた際に弁護士の案内に従って準備いただいても十分です。

 ここでは、最初の相談に来ていただく際にあると良い資料を3つ選んでお伝えします。

 

 

 

2 最新の決算書

 会社破産の相談は、まず弁護士が会社の現状を把握することから始まります。

 会社の現状は、会社名義の財産や借金がどのくらいあるのか、毎月の売上はいくらで経費がどのくらいかかっているのか、従業員の数や給料の支払い状況、買掛金の支払いや売掛金の入金予定、事業所の場所や詳細(自己所有・賃貸借・商業施設のテナント等)などをお伺いすることで把握できます。

 一番情報量が多いのは、会社の最新の決算書です。

 財産は、決算書内の貸借対照表や勘定科目内訳明細書、、借金は勘定科目内訳明細書の長期借入金や短期借入金欄を見ることで、把握できます。

 また、損益計算書には、売上と経費の内訳が書かれており、事業の規模やどの程度の赤字があるか等が分かります。

  破産の相談に来られる会社の中には、最新年度の決算書を作っていないというケースも多いですが、その場合は最後に申告を行った決算書をお持ちください。

 

3 最新記帳した通帳

 通帳では、会社の命であるすぐ動かせる現金預金の額が分かりますし、いつにどこから大きな入金があり、いつどこに対して大きな出金があるかという、普段の会社のお金の流れがよくわかります。

 たとえば、最大の元請先から毎月25日に200万円入金があり、毎月月末には給料を100万円、家賃を15万円払っていることが分かれば、毎月25日から月末までの間にどういうお金の使い方をするか決めなければならないことが分かります。

 決算書は、相談前の決算日時点の状況を表していますが、決算日から相談時点までに、新たな借入をしたり、財産を処分したりと状況が変わっていることが少なくありません。

 そのため、相談時点の会社の状況は、通帳の動きを見ることによって把握するのが一番です。

 

4 資金繰り表

 会社が破産せずに事業を続けられるかの判断には、すぐ動かせる現金預金の額が最も重要です。

 現金がなくなった会社は、新たな仕入もできず、給料も払えず、破産するしかなくなってしまうからです。

 資金繰り表は作っていない会社も多いですが、もし作っているのであれば、いつどこから大きな入金があるかや、現金預金の額の予想がつき、いつまでに収支を改善しなければ事業が続けられなくなるかがよくわかります。

  また、破産をすることになった場合、申立前に弁護士や裁判所に支払う費用を確保しなければなりませんが、資金繰り表を見ることで、いつ費用が確保できるかのスケジュールを立てる観点からも重要です。

 

5 資料がなくても相談できることも多い

 資料を丁寧にそろえようと思って相談が遅れると、それだけとれる選択肢も狭くなっていきます。

 上記の3つの資料も、あると相談の際に役立ちますが、なくては相談出来ないということはありません。

 早くに相談に来ていただければ、返済や支払いをやめる等で資金繰りを改善できたものが、完全に現金預金がなくなってからでは、事業も続けられず、破産の費用の捻出もできなくなって、夜逃げ同然になってしまう方もいらっしゃいます。

 会社破産を決めていなくても、資金繰りが厳しいと感じた時点で、お早目の相談をお勧めします。

会社破産での弁護士選びのポイント

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2024年08月09日

1 会社破産は弁護士選びが重要

 会社破産は、弁護士なら誰でもできると思っている方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、会社破産は、取引先・従業員・顧客等多くの利害関係を持つ人がおり、スピード感を要求されることが多いです。

 進め方を間違えると、取引先や強硬な債権者の取り付け騒ぎで大混乱に陥ったり、代表者個人が損害賠償請求や刑事罰を受けることになりかねません。

 そのため、どの弁護士に依頼するかということが非常に重要となります。

 ここでは、会社破産の弁護士選びのポイントを3つお伝えします。

 

2 会社破産の申立てや破産管財人の豊富な経験・実績

 会社破産は、多くの利害関係を持つ方がいる中で、少しでも迷惑をかけないように、業態や立場に応じた対応を行う必要があります。

 会社破産では、申立代理人と破産管財人という2人の立場が異なる弁護士が関与します。

 申立代理人は、会社の破産を裁判所に申し立てる弁護士で、依頼する方が自ら選びます。

 方針やスケジュールを決めたり、会社をやめる直前直後の一番大変な時期の対応をする弁護士です。

 会社破産の申立ての経験が豊富な弁護士なら、安心して対応を任せられます。

 これに対して、破産管財人は、裁判所が選ぶ第三者的立場の弁護士であり、会社破産を依頼する方が自ら選ぶことはできません。

 破産管財人は、会社破産においては会社の財産をお金にかえて債権者に分ける仕事をします。

 破産管財人の経験が豊富な弁護士は、裁判所の信頼を得ている弁護士ということになりますし、これまでの経験から破産事件の今後の進行も予測しやすくなります。

 そこで、弁護士を選ぶ際には、会社破産の申立てや破産管財人の経験が豊富な弁護士に依頼するのがよいと考えられます。

 

3 スピーディーな対応をする弁護士

 会社破産は、ずいぶん前に事業をやめている場合でなければ、取引先・従業員・顧客等との間で、いろいろなやりとりやお金の動きがあります。

 やるべき手続きが遅れれば、大きな混乱のもとになりますから、多くの利害関係人がいる中でもスピーディーに対応できる弁護士に依頼するのがよいといえます。

 法律事務所によっては、弁護士が一人で郵便の発送、電話の対応、書類の作成等をしており、忙しさから対応が後手に回ることもあります。

 スタッフや複数の弁護士が役割分担して対応してくれると、会社破産もスピーディーに進みます。

 

4 人として信頼でき、相性のよい弁護士

 会社破産では、破産が正式に始まるまでは、依頼した弁護士と短い期間に何度もやりとりすることが多いです。

 人生にかかわる大きな手続きですから、人として信頼できる弁護士でなければ安心できませんし、相性が悪くてやりとりが苦痛であると、余計に不安になってしまいます。

 そこで、面談してみて、信頼がおけて相性がよい弁護士に依頼するのがよいといえます。

 

5 税理士や社会保険労務士と連携できる弁護士

 会社破産では、破産した会社の税金の確定申告や、従業員がいれば源泉徴収票の作成が必要なこともあります。

 こうしたことは、税理士が専門的に行います。

 また、従業員の離職票を作って失業保険を受給できるようにしたり、社会保険の資格を喪失させて国民健康保険に切り替える手続きが必要なこともあります。

 こうしたことは、社会保険労務士が専門的に行います。

 今までに依頼していた税理士や社会保険労務士がいる場合も、顧問料が未払いになるため動いてもらえないことも多く、依頼する弁護士が、税理士や社会保険労務士と連携して必要な資料を集めたり手続きを進めることもあります。

 そのため、税理士や社会保険労務士と連携できる弁護士がよいと考えられます。

会社破産をするにあたっての注意点

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2024年07月08日

1 財産を隠したり、安値で処分してはいけない

 会社破産をすると決めた方の中には、実質的には破産状態にある段階において、会社の財産を親族に有利な条件であげようとする社長もいらっしゃいます。

 しかし、そのようなことを行った場合、会社破産では、裁判所が選任する破産管財人が、否認権の行使といって、会社から流出した財産を取り返す手続きをします。

 破産の直前にご親族に財産をタダであげても、ほとんどの場合、このように破産管財人に取り返されることになりますし、裁判を起こされてかえってご親族に迷惑がかかることもあります。

 また、会社破産は、裁判所を通じ、法律にしたがって借金をゼロにする手続きですので、それにふさわしくない行為をすれば、処罰される可能性もあります。

 会社の財産を隠したり安値で渡すことは、詐欺破産罪(破産法265条1号)にあたり、代表者が刑事罰を課される可能性もあります。

 会社破産をする際には、会社の財産は全て弁護士に申告し、事前に処分する場合は、価格や売った相手が適切であることを証明できるよう、相見積もりを取る等することが大切です。

 

2 一部の債権者にだけ返済してはいけない

 会社破産では、金融機関に対しても、仕入先に対しても、友人に対しても、平等に返済をしないのが原則です。

 お金を借りた友人にだけ優先して返済しても、破産管財人が友人から取り返す否認権行使という手続きがありますし、特定の債権者に対する担保供与等の罪(破産法266条)にあたり、代表者が刑事罰を課される可能性もあります。

 そのため、少なくとも会社破産を弁護士に依頼して、弁護士が債権者に通知を出して以降は、一部の債権者にだけ返済してはいけません。

 

3 お金の流れや財産について、嘘の説明をしてもばれることが多い

 会社や代表者は、破産手続きでは、破産管財人や裁判所に対して重要な財産を開示したり、説明したり、資料を提出したりする義務があります。

 このとき、嘘の説明をしてもばれないのではないかと思う方もいらっしゃいますが、破産管財人は、会社や会社代表者の郵便物のほか、口座の入出金履歴、決算書等の幅広い資料を見ることができますし、関係機関に照会することもできます。

 破産に慣れていない一般の方が嘘の説明をしたとしても、資料と整合せず不審な点が残るものです。

 もちろん、嘘をついたことが発覚すれば、刑事罰や損害賠償請求の可能性があります。

また、代表者は説明義務違反という免責不許可事由(破産法252条1項8号、9号)にあたって、自己破産しても免責されず、借金の支払義務が残ることになりかねません。

 お金の流れや財産状況等は正直に説明するようにしてください。

 

4 施錠や物の管理を厳重にする

 会社破産では、事業をやめる際の混乱で、会社の在庫や機械が盗難にあったり、会社の鍵や備品を紛失する方もいらっしゃいます。

 経緯が経緯ですので、従業員や取引先が盗る分には仕方ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは、他の債権者や裁判所からすれば、実は代表者が財産を隠しもっているのではないかと疑われるもとになります。

 代表者が財産を隠したとなれば、破産管財人から損害賠償請求を請けますし、代表者が自己破産しても免責されない事由にあたりかねません(破産法252条1項1号)。

 そのため、たとえば、従業員から会社の鍵を回収し、シャッターを閉めておき、弁護士の許可なしに解錠しないようにするなど、盗難や紛失を防ぐための対応が必要となります。

 

5 費用が全くなくなると会社破産ができない

 会社破産には、裁判所に支払うお金や弁護士費用がかかります。

 会社の財産も売上も0になってしまうと、裁判所や弁護士の費用を個人資産やご親族の援助で用意しない限り、会社破産ができなくなります。

 会社破産ができず、借金への対応方法がなくなってしまって夜逃げした代表者もいらっしゃいますから、会社の財産が0になる前に決断しなければなりません。

会社破産を行うメリットとデメリット

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2024年02月08日

1 デメリット1‐原則として事業を続けられない

 会社が破産すると、借金は0になるかわりに、原則として事業をやめなければなりません。

 なぜなら、会社が破産すると、破産管財人という裁判所が選任する弁護士が、会社の全財産を管理するようになり、代表者は一切お金が動かせなくなるため、当然事業を継続することができないからです

 また、法人格自体もなくなるので、会社の名前で売り買いを続けることもできません。

  まれに、別会社を立ち上げて事業を継続しようとする方もいらっしゃいますが、破産する会社の財産を新会社に譲渡すること等は、後から破産管財人に取り返される可能性もありますので、慎重に行う必要があります。

 

2 デメリット2‐原則として従業員は全員解雇しなければならない

 会社が破産すると、基本的に破産管財人しか会社のお金は動かせず、従業員を雇い続けて給料を発生させることはできません。

 そこで、一時的に残務を従業員に手伝ってもらうケースは別として、基本的に破産する時点で、従業員は全員解雇することになります。

 

3 デメリット3-会社の資産は全て処分しなければならない

 会社が破産する場合、法人格がなくなってしまうので、会社の財産を会社の名義のまま残しておくことはできません。

 裁判所が選ぶ破産管財人が、会社の全ての財産をお金にかえて、債権者に配当することになります。

 会社の資産で、代表者が今後の生活に使用したい場合は、代表者や親族が適切な値段で買い取ることを検討する必要があります。

 

4 デメリット4‐代表者も自己破産になるケースが多い

 代表者は会社の借入の連帯保証人になっているのが通常です。

会社が破産すると、連帯保証人は、基本的に金融機関から一括請求されます。

 会社の借入は何百万や何千万と高額なことが多いですし、代表者は収入源の仕事も同時になくなることから、会社が破産するときには一緒に自己破産せざるをえず、信用情報も傷つくケースが多いです。

 ただ、自己破産以外にも、経営者保証ガイドライン等の話し合いや、個人再生ができるケースもありますので、詳細は弁護士におたずねください。

 

5 デメリット5‐特定の債権者にだけ支払いをすることは出来ない

 破産手続きでは、すべての債権者を平等に扱わなければならず、親族からの借入や懇意にしている取引先の未払い等、特定の債権者に優先して返済することは出来ません。

 もし特定の債権者に優先して返済してしまった場合、破産手続き開始後に裁判所が選任した破産管財人という弁護士から、返済を受けた債権者に返還請求がなされることになり、かえってその債権者に迷惑をお掛けすることになるのでご注意ください

 

6 メリット1‐全ての借金がなくなる

 破産すると、会社は、金融機関からの借入、取引先への未払いなど全ての借金を払わなくてよくなります。

 会社の税金や社会保険料の滞納がある場合も、破産により法人格がなくなるため、支払義務がなくなります。

 資金繰りの悩みで眠れなかったという方も少なくありませんが、会社破産することで、長かった資金繰りの悩みから解放されてほっとしたという方もいらっしゃいます。

 代表者は別の仕事に就いて、新たな一歩を始めるのに最適の手続きといえます。

 

7 メリット2-基本的に取り立てがなくなる

 弁護士が、会社が破産する旨の通知を債権者に送ると、金融機関は法的に取り立てが禁止されます。

 また、取引先等も恐喝罪等に問われるのをおそれて取り立てを控えるようになることが多いです。

 仮に一部の強硬な債権者から取り立てがあっても、弁護士に依頼したと答えて弁護士に対応を任せることができますし、場合によっては建造物侵入罪や恐喝罪等で警察に動いてもらうことも検討しますので、代表者は、取り立てから解放されて一息つくことができます。

  

8 メリット3-未払給料がある従業員は、立替払が受けやすくなる

 会社の従業員の給料が未払いで残った場合、未払い給料の8割の支払いが受けられる独立行政法人労働者健康安全機構の立替払制度が利用できることが多いです。

 会社が破産手続きをしなければ、従業員自ら様々な手続きをしなければならず、立替払を受けるのも難しいです。

 一方、会社が破産した場合、破産管財人が未払給料額等を証明することで、スムーズに立替払を受けることができます。

 そのため、従業員のことを考えるなら、会社破産をする費用もなくなって夜逃げするよりも、会社破産をすることで給料の未払いを立替払という形で少しでも払ったり、離職票を発行することで失業保険をスムーズに受給できるようにする方がよいでしょう。

弁護士法人心が会社破産の対応を得意とする理由

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2024年06月13日

1 会社破産の経験が豊富な弁護士が対応

 当法人には、裁判所が破産手続きを進めるため選任する「破産管財人」の経験のある弁護士が多数所属しています。

 破産管財人は、裁判所が自己破産について一定の信頼がおけると判断した弁護士を選任していますし、自己破産申立ての問題点の調査をする立場ですので、会社破産の申立ての依頼を受ける際の見通しも立てやすくなります。

 また、全国倒産処理弁護士ネットワークの会員、弁護士会の倒産実務委員会の委員の弁護士も所属し、多くの自己破産案件を取り扱っています。

 会社破産は、取引先や従業員等といった関係者も多く、会社の業態や置かれた状況によって、サラリーマンの自己破産と異なる独特の動き方が必要になります。

 当法人では毎月研究会を開催し、会社破産のノウハウを共有しています。

 

2 経営者の生活を守る

 会社破産の場合、経営者は会社の債務の連帯保証人になっているうえ、会社が返済しなくなるため、一括請求されるのが通常です。

 そのため、会社破産においては、経営者の連帯保証債務の対応も同時に考える必要があります。

 たとえ分割払いであっても、連帯保証債務を全額返済するのは困難なケースがほとんどです。

そのため、経営者は、「経営者保証に関するガイドライン」、個人再生、自己破産のいずれかを行うのが通常です。

 ある程度資産が残っていたり、次の仕事が決まっている方の場合には、「経営者保証に関するガイドライン」や個人再生を使って、自宅や保険を残せることも多いです。

 当法人では、これらも活用して、会社破産後の経営者の生活がなるべく楽になるよう努力しています。

 経営者が自己破産する場合も、弁護士が裁判所に申請することで、最大99万円まで、破産後の生活に必要な財産を残すことができます。

 自己破産でどこまで財産を残せるかは、裁判所や破産管財人の運用によっても異なりますので、当法人では、なるべく担当地域の運用を把握したうえで、経営者やご家族の生活を守れるよう工夫しています。

 

3 関係者とできる限りもめない丁寧な説明

 会社の破産には、お客様、仕入先、従業員、金融機関など立場の違う多くの関係者がいます。

 それぞれに同じように対応していては、関係者が会社や経営者の自宅に押し掛けて騒ぎになることもあります。

 また、不必要にもめごとを起こすと、経営者に損害賠償請求を行ったり、刑事告訴を検討する者が現れる可能性もあります。

 当法人では、相手の立場に応じて説明の方法や内容を工夫し、できる限り混乱が生じないよう、不必要なもめごとを起こさないよう配慮しています。

 

4 手続費用が抑えられる

 会社破産の費用の中でも、裁判所に納める予納金は20万円から100万円以上と大きな幅があります。

 予納金額は、負債額、事業規模、事案の複雑さによって変わりますが、当法人では、裁判所に対する分かりやすい説明文書や適切な資料の提出を通じて、予納金がなるべく安くなるよう工夫しています。

 

5 社会保険労務士や税理士と連携した従業員等の対応

 会社破産では、従業員がいる場合、失業保険受給のため離職票の作成、源泉徴収票の作成等が必要になるのが通常であり、それらをスムーズに行うことが求められます。

 一般的な法律事務所では、他の専門家に依頼するか、経営者ご自身で対応する必要が生じがちです。

 当法人の場合、社会保険労務士や税理士との連携がありますので、混乱した時期にも早急な対応が求められ手間がかかる従業員関係の手続きの代行も可能です。

会社破産の手続きにかかる期間

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2023年11月07日

1 会社破産の簡単な流れ

 会社の破産は、一般的に、①弁護士に相談して破産の準備をする②廃業して裁判所に破産申立てをする③破産手続きの開始決定が出る④債権者集会が開かれるというように進みます。

 つまり、最初に弁護士に相談して会社が破産する方針を決め、いつ裁判所に申立てをしたり、債権者(銀行や取引先等)に廃業したことを告げるかを決めます(①)。

 会社破産には、業態や資金繰り、規模感に応じて様々な流れがありますが、一つの流れとして、事業をやめる日に裁判所に申立てをすると同時に、債権者にも弁護士から通知を出します。(②)。

 直前まで事業が続いていた会社の破産では、申立てから1か月経たないうちに、裁判所が破産手続きを正式に開始する決定を出すのが通常です(③)。

 ここから、破産管財人という第三者的な立場の弁護士を裁判所が選任し、破産した会社の財産をお金にかえる等の手続きを進めていきます。

 そして、債権者集会という、裁判所で債権者向けに行う報告の機会が2~3ヶ月ごとに開かれ、全ての財産をお金にかえて債権者に分け終わるまで続きます(④)。

 

2 会社破産の期間は、主に財産をお金にかえるのにかかる期間で決まる

 ③の破産手続き開始決定までは、弁護士に会社破産の相談から1,2か月程度が一般的です。

 会社破産の相談に来られてから、実際に廃業する日を決めたり、資料や破産に必要な費用を準備するのに1か月程度はかけることが多い(①から②)です。

 申立てをしてから破産開始決定までで1か月程度と見ると、合計で2か月程度になります(②から③)。

 なお、相談の結果、弁護士が早急に廃業し、破産申立を行う必要があると判断した場合は、費用や必要書類の揃い具合にもよりますが、最初の相談から1~2週間程度で申立てをするケースもあります。

 ただ、実際に会社破産にかかる期間の多くは、配当といって、破産管財人が会社の財産をお金にかえて債権者に分ける期間にあてられます。

 ですから、会社破産にかかる期間は、会社にどういう種類の財産がどれくらいあるかが一番のポイントになります。

 

3 目ぼしい財産がなければ、6か月以内に終わることが多い

 会社に目ぼしい財産がなければ、破産管財人の仕事としては預金や保険の解約程度で、実際に債権者に配当するのは難しいケースが多いです。

 この場合、3か月に1回程度の債権者集会が1,2回で、破産開始決定から6か月以内に終わるのが通常です。

 弁護士に会社破産を依頼してからでいえば、6か月~1年程度です。

 

4 不動産が複数あったり、回収が困難な売掛金があれば、1年以上かかるのが通常

 一方、不動産を多数所有していたり、なかなか買い手がつかないような不動産(過疎地・田畑・山林等)があったりする場合等は、全部の不動産を売り終わるには相当時間がかかります。

 また、客先で約束どおりの売掛金を支払わない業者がいたり、貸しているお金を返してくれない個人がいたりすると、破産管財人は、裁判を起こして金額を確定させて、差押え等をして売掛金を回収するのが通常です。

 どうしても換価出来ない財産は、最終的には放棄や廃棄処分されることになりますが、破産管財人は立場上安易に財産を処分することはできません。

 適正価格で換価できるよう最大限の努力をしたうえで、放棄等の判断をすることになるため、上記のようなケースでは1年以上かかることもあります。

 また、全ての財産がお金にかわった後に、滞納していた会社の税金・社会保険料を払ったり、一般の金融債権者の負債額を正確に調査して、負債額に応じて分配することになります。

 こうなると、やはり1年以上かかり、2年程度かかることもあります。

 

5 詳細は弁護士まで

 他にも、お金の流れが複雑であったり、債権者の方で負債額に争いがあるケースも時間がかかることがありますが、基本的に破産の申立てをした後は、代表者は資金繰りの悩みから解放され、次の一歩を始めることができます。

 会社破産では、事業をやめるときが一番忙しくて大変という方が多いです。

 事業をやめた後の破産手続中は、代表者が別の会社に就職して働くこともできますし、新たな借入をしたり人を雇ったりしなければ個人事業をすることもできます。

 詳細は弁護士までおたずねください。

会社破産の手続きの流れ

文責:弁護士 古田裕佳

最終更新日:2024年09月17日

1 会社の現状を把握し、本当に破産が適切であることを確認する

 会社の破産の相談の場合、まず弁護士が会社の現状を把握するところから始まります。

 初めての相談であれば、事業の内容、顧客や取引業者の数や金額、従業員の数や属性、事業所の場所や数を確認します。

 これには、会社の決算書や通帳、資金繰り表があるとよいでしょう。

 会社の資金繰りの相談に来られる方には、事業を続けていくことを前提として方法を模索している方もいらっしゃいます。

 そのような場合には、私的整理や民事再生等他の方法が選べないか、会社が破産しても事業を続けていく方法がないか等についても、資金繰りを見ながら検討します。

 

 

2 会社破産する日を決め、資料や費用の準備をする

 現在動いている会社の破産の場合は、いつ事業をやめて破産手続をするかというタイミングが最も重要です。

 仕事量、資金繰り、今後の生活設計等を考慮して日を決めますが、基本的には大きな入金があった後、大きな出金の前になることが多いです。

 なぜこういったタイミングになるかというと、支払うべきものを支払うために大きな入金後である必要があり、次の大きな出金の日には資金繰りがつかなくなるケースが多いからです。

 会社破産には、様々な資料の準備や作成が必要ですので、申立てのスケジュールが決まったら、それに向けて資料の準備をしたり、破産手続に必要な費用を準備します。

 

3 弁護士が申立てをし、債権者等に説明・通知を発送する

 事業をやめる日に、弁護士が裁判所に会社の破産申立てをします。

 破産の申立ては、原則として会社の主たる営業所である本店所在地を管轄する地方裁判所宛てに、弁護士が会社の借金や財産に関する資料、破産に至る経緯等を整理した書類を持っていくか、郵送する方法で行います。

 また、債権者である銀行や取引先に弁護士が窓口になって破産手続に入った旨の通知を発送したり、顧客向けに店舗に張り紙をしたりするほか、従業員の数が多い会社の場合は、混乱を防ぐために従業員向けに説明会を開くこともあります。

 これで、事業が終わったことが関係先に知れることになりますので、債権者である銀行や取引先は、貸したお金がどうなるかなど、今後の対応のために多数の問合せをしてきます。

 そうした問合せには、弁護士が窓口になって対応することになります。

 

4 会社の破産開始決定があり、破産管財人が選任される

 裁判所は、弁護士が提出した破産の申立書を審査し、破産開始決定をしてよいか判断します。

 事業規模が大きく関係先が多いなど、複雑な破産事件の場合は、開始決定前に代表者が裁判所に審尋に呼ばれるケースもあります。

 裁判所が会社の破産開始を決定すると、破産管財人という弁護士を選びます。

 破産管財人は、裁判所が破産という制度の信頼を担保するため、破産会社から依頼を受けている申立代理人弁護士とは別に、債権者の利益も考慮して手続きを進める第三者的な立場の弁護士を、裁判所があえて選ぶものです。

 

5 破産管財人が財産をお金にかえて債権者に分配する

 破産管財人の主な業務は、会社の財産を調査し、換価できる財産があればお金にかえて、平等に債権者に分配を行うことです

 破産開始決定後、破産管財人は会社の代表者と面談を行い、書類等の引継ぎをうけ、管財業務に着手します。

 会社代表者には、管財人の業務に協力する義務がありますので、管財人から求められた資料を提出したり、質問に回答したり、誠実に対応する必要があります。

 

6 債権者集会

 破産開始決定から約3か月後に1回目の債権者集会が開かれます。

 債権者集会では、管財人が会社の財産の調査結果や、手続きの進捗状況等の報告を行います。

 債権者集会は、管財人の業務が終了するまで、2~3か月毎に1回ずつ開かれるため、財産の換価や配当に時間を要するような場合には、破産事件が終了となる最後の債権者集会まで1年以上かかるケースもあります。

 

7 会社破産は弁護士にご相談ください

 事案によっては、これと異なる流れで手続きを行うことが適切なケースもあります。

 たとえば、ご相談いただく中には、ご相談の時点で既に事業をやめて何年か経っているケースもあります。

 その場合は事業をやめる日に弁護士が裁判所に破産の申立てをすることはできませんから、残っている範囲の資料で、手続のお金も代表者自身の収入から用意できたときに申立てすることが多いと考えられます。

 このようにご事情によって流れが異なる場合もあるため、具体的な会社破産の流れは、会社破産に詳しい弁護士にご相談ください。

 早めにご相談いただくことで、破産以外の選択肢も検討できる場合がありますので、少しでも資金繰りが苦しいと感じた段階で一度ご相談いただくことをお勧めいたします。

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